学びのバトン

ホーム >   >  オンリーワンの“ものづくり”で海外市場で戦うために

オンリーワンの“ものづくり”で海外市場で戦うために

奥野遼司さん

平成21年度大学院工学研究科博士前期課程機械工学専攻修了
株式会社GSユアサ 産業電池技術部
奥野遼司さん

平成21年度大学院工学研究科博士前期課程機械工学専攻修了/株式会社GSユアサ 産業電池技術部

奥野 遼司さん

環境に貢献する技術を生む

私が勤めるGSユアサは電池のメーカーとして知られています。なかでも自動車用電池はアジアシェア1位、世界シェア3位。バイク用電池ではアジア?世界シェアともにナンバー1を誇っています。電池といってもさまざま。小型なものから産業用の機械系統に使用される大型なものまで、GSユアサはそれぞれの用途?環境下に対応した電池を開発?製造?販売しています。それらの電池が活躍する場所は陸?海?宇宙にまで広がり、テーマパークのパレードフロートや深海調査船、ロケットなどにも使用されています。
私が現在、開発している電池は工場や倉庫で使用されるバッテリーフォークリフトに搭載されています。バッテリーフォークリフトは排気ガスや騒音を出すことがありませんので、環境に配慮した製品であり、市場も伸びています。GSユアサはこの分野では60%以上のシェアを持っており、そこで“ものづくり”ができることに誇りをもっています。

学生時代を無駄にしない

bat_oku02学生の皆さんは自分が今学んでいる一つひとつの科目や実習が、将来社会に出たときにどのように役立つのか、まだ想像できないかもしれません。しかし、私の仕事は、大学の授業で学んだ知識や経験が基礎になっています。無駄な授業なんて一つもありません。なかでも、エンジニアとしての考え方ができるようになったのは、「ものづくり体験」がきっかけです。授業でロープを登るロボットを製作する課題が与えられました。それぞれのメンバーが描くロボットのイメージをすり合わせながら、考えを絞りこみ、一つのロボットを協力して作りあげるまでには様々な苦労をしました。だからこそ、ロボットがロープをつたって登るのを見たときは本当に嬉しかったです。
このような“ものづくり”の一連の流れは、実際の仕事の現場でも同じです。電池の開発は自分が培ってきた能力を最大限に発揮しつつ、いろいろな人のサポートやアドバイスがあってこそ成り立つということを実感しています。
こうして振り返ってみると、授業で学んだことが役に立っているなと感じることは多いです。また、限られたコスト内で工夫をして、コストパフォーマンスを上げるという考え方ができるようになったのも、この「ものづくり体験」があったからだと思います。

社会のスピードについていく

今、「次世代エネルギー技術」をキーワードにGSユアサも海外展開を進めています。海外でシェアを確保するためにはスピードが重要。グローバルな展開となると、競合他社も増えてきますので、設計から開発までいち早く実現させなければなりません。社会人になってからは勉強する時間はなかなかとれません。普段の授業からたくさん学んでください。そうすることによって、スピード感のある社会人になることができます。逆に大学4年間の“さぼり癖”は社会人になってもなかなか抜けず、社会での成長を妨げることになります。学生時代にすべきことをしっかりして、学生時代にしかできないチャレンジをしておけば、自信を持って社会に飛び出せると思います。

大学祭で出店した仲間と

大学祭で出店した仲間と

ページの先頭に戻る
前のページに戻る