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思いやりを持ち、粘り強くオンリーワンを目指す

酒井万喜夫さん

昭和53年大学院工学研究科工業化学専攻修了
日本特殊塗料株式会社 代表取締役社長
酒井万喜夫さん

昭和53年大学院工学研究科工業化学専攻修了/日本特殊塗料株式会社 代表取締役社長

酒井 万喜夫さん

飛行機用塗料のトップメーカー

私は福井生まれ、福井育ちで福井大学に入学しました。でも、仕事をするなら、日本の中心である東京の企業が良いだろうと考え、大学院修了後、東京都北区にある日本特殊塗料に入社しました。それから36年余り勤め、この6月に社長に就任しました。
弊社は1929年の創業以来、軍用機から民間機までの塗料を手掛け、日本で唯一の飛行機用塗料メーカーとして実績を積んできています。その塗料技術は自動車にも生かされ、私も入社後から、自動車用塗料開発部門で研究開発をしてきました。現在製造している防音?防サビ塗料は国内外問わず、多くの自動車メーカーに納入しております。

基礎力が社会で役立つ

大学時代の専門は高分子化学でしたが、あまり勉強した記憶はありません。しかし、何もしないと論文などはまとめられませんから、多くの先生方や先輩にしごかれながら、放射線重合技術の研究をしました。
今でもよく覚えているのは、研究室でたくさんの英語文献を読むことを習慣づけられたことです。助教授と一緒に、英語で書かれた化学の分厚い文献の読みあわせを毎日2、3ページずつ2年間、続けました。お陰で英語を見ることに慣れ、英語の文献を図書館で探すことに何の抵抗もありませんでした。会社に入って一番役に立ったのはこの時身に付けた英語力でしたね。 もちろん、専門とする分野の技術や知識も大切ですが、化学の専門用語、文章のまとめ方、英語の言葉遣い、これらの基礎力はどんな職業に就いてもすぐに活用できます。
もちろん、専門とする分野の技術や知識も大切ですが、化学の専門用語、文章のまとめ方、英語の言葉遣い、これらの基礎力はどんな職業に就いてもすぐに活用できます。
研究室に所属するとレポートの発表や学会があり、いろいろな人と議論をしたり、意見を聞いたりします。会社で仕事をしている時にも同じような場面は何度もありましたから、このような人との交わりに慣れることは社会人として必須ですね。
大学院に進学して良かったこと、それは、研究のおもしろさを追求できたことです。実験装置を組み立てることから研究が始まる、そんな研究のおもしろさが学部生の頃にわかっていたので、すぐに就職しようとは思いませんでした。大学院に進み、さらに研究への興味を深めることができたので結果的に行ってよかったと思います。

ガッツをもって!

会社に入ると様々な要求や指示がやってきて、不安になることもあると思います。この時に、「NO」とは答えてほしくないですね。どんなことでも、まずはやってみて、モノにするガッツ、粘り強さを持ち続けてほしい。これを支えるのが最終的には基礎力かもしれませんね。
さらに、大学の間で自分の武器になるオンリーワンを一つ身に付けて下さい。そして忘れてはならないのが「思いやり」です。相手を思いやり、尊敬することができれば、コミュニケーションはうまくいく。地球上のどこへ行っても、どんな人とでも大丈夫です。

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