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モノを創り、世界とつながる

松田優一さん

平成12年度大学院工学研究科電子工学専攻
(現:電気?電子工学専攻)博士前期課程修了
株式会社ナチュラルスタイル代表取締役
松田優一さん

平成12年度大学院工学研究科電子工学専攻 (現:電気?電子工学専攻)博士前期課程修了/株式会社ナチュラルスタイル代表取締役

松田 優一さん

やりたいことをやってみる

福井大学には福井高専から3年次編 入で入学しました。一度は就職も考えたのですが、就職氷河期で、両親から地元に残って欲しいと言われ、進学を決めました。ところが、軽音楽部とアルバイトに熱中し、気づいたら卒業も危うい状況に。さすがに「まずい」と思い、勉学に専念しました。当時、電子工学科なのに電力システムやデバイスに興味が持てず、情報系の研究室に所属し、医療情報処理に取り組むことに。さらに就職が厳しくなっていたので、先生の勧めもあって大学院に進みました。

29歳でソフトウェア会社を起業

卒業後は学生時代のアルバイト仲間に誘われ、情報システム関連の会社に入社しました。そこでの貯金を元手に2006年に現在の会社を設立。ソフトウェアを作り、東京や大阪で飛び込み営業しましたが、当時は自分が作りたいものばかり作っていたせいか、ユーザーにとって使いやすいものではなく、売れませんでした。
しかし、少しずつノウハウを広げ、様々な要望やそこから生まれたアイデアに沿って製品を作ると、良い結果が得られるようになりました。
それから3年後の2010年にiPadが登場します。「これだ!」と直感が走りました。「ここにソフトウェアを作りたい―」。
ちょうど、息子がお絵かきを始めたころで、磁石ペンで専用のボードに絵を書く、タカラトミーの玩具「せんせい」がiPadの感触に似ていると気づき、「せんせい」をアプリにしました。タカラトミーは大手玩具メーカー。これで商売をしたら訴えられるのではないかと思い、同社に問い合わせてみると、意外にも「一緒にやってみませんか」と誘われ、みなさんおなじみのボードゲーム「人生ゲーム」、パーティーゲームに欠かせない「黒ひげ危機一発」のアプリを開発しました。

アイデアで世界に挑戦

ミーティング風景。 2人で始めた会社も現在は20人を超える規模に

ミーティング風景。
2人で始めた会社も現在は20人を超える規模に

スマートフォンやタブレットは、今や1人に1台。世界中の何十億人という人がターゲットになる非常に面白い世界です。現代の子どもたちは、アプリに夢中ですが、なかにはギャンブル性の強いゲームもあって、子どもに与えたくないものもあります。そんなことから最近は、漢字を使ったRPGゲーム「書道伝」など、遊びながら学習ができる、そんなアプリを開発しています。
子どもたちには、一方的に与えられるだけのネット社会に溺れるのではなく、きちんと「ものづくり」ができるようになってほしいと思い、小学生にプログラミングを教える活動なども行っています。
一見すると、会社を起業することは大変なように思えますが、意外に身近なところから得られたきっかけやアイデアを活かせばなんとかなるものです。
とにかく、実践してみることで、どんどん道は世界にも拓いていくのではないかと思います。

松田さんが開発したタブレット用のゲームアプリ

松田さんが開発したタブレット用のゲームアプリ

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