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日本機械学会 若手優秀講演フェロー賞 受賞

工学研究科 機械工学専攻2年

永井 利幸

この度、2009年9月に盛岡で開催された日本機械学会年次大会で口答発表を行い、日本機械学会若手優秀講演フェロー賞を受賞致しました。

私の発表タイトルは,「オンラインパーティクルカウンタを用いたDLC(Diamond-like carbon)膜のなじみ挙動解析」です。本研究の一番のキーワードは「なじみ」です。身近な言葉で説明すると、”化粧水が肌になじむ”の「なじむ」や、”自動車のならし運転”の「ならし」と同様の意味合いです。機械にはこの「なじみ」が必要であり、なじみが良好に行われると表面の摩擦摩耗特性が改善され、機械の円滑な動作が実現できます。

sub本研究の目的は、低摩擦性、耐摩耗性に優れているDLC膜のなじみ挙動を解析し、なじみが良好に行われるための最適な表面設計指針を提示することです。ターゲットは自動車エンジンしゅう動部であり、研究の成果により、更なる低燃費化と高信頼性化に貢献できると期待しています。本研究の新規性は、しゅう動部の表面情報を集約している摩耗粉となじみ挙動の関係に着目したことにあります。また、オンラインで油中の微粒子の粒径と個数を測定できる装置(オンラインパーティクルカウンタ)を用いて、なじみ過程で刻々と変化する摩耗粉の粒径と個数を測定して、その時々の摩耗面の様子を推し量ろうとするところに独創性があります。

本研究における主たる成果は、摩擦係数の変化と摩耗粉の発生頻度に相関を見いだしたこと、それらとしゅう動面形状の変化とを比較することで、DLC膜のなじみ挙動を詳細に把握できたことです。今後はこの結果を表面設計にフィードバックすることで、DLC膜のなじみが良好に行われる表面の創製に役立てていく予定です。

今回の受賞は、今後の研究を進めていく上での大きな自信となり、残りの学生時代でさらに実りある研究にしていく大きな動機付けとなりました。また、両親も今回の受賞を大変喜んでおり、一種の親孝行ができたことに非常に喜びを感じております。最後に、日々鋭いご指摘を頂いた岩井善郎教授、前日の夜まで発表練習に付き合って下さった本田知己准教授、ささいな相談でも親身に聞いて下さった宮島敏郎助教には大変お世話になりました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

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